松の内の宴-幸せレシピ-<br><font size="-2">in Imperial Hotel Work Shop / written by Keiko Kurata

松の内という言葉をご存じですか。
お正月の始まりから終わる日までの期間を指す言葉で、1月1日に門松を目印に訪れるとされている年神様は、門松に宿ってお正月を過ごし、正月が終わると山へと帰られるといいます。鏡餅も門松と同様、年神様の依り代として飾られる縁起物です。地方によって異なりますが、関東地方では1月7日までを松の内とするのが一般的です。そして松の内の最終日に当たる1月7日は「人日の節句」、七草粥の日でもあります。
植物や季節の行事を大事にしたい我が家でも欠かせない行事です。まず1月7日には七草を楽しみ、松の内が明ける8日にお正月飾りを片づけることにしました。松は外して一旦保管し、1月15日の小正月に神社で行われる「どんど焼き」や、「お炊き上げ」に持っていきます。どんど焼きの煙や火の粉に触れることで、無病息災や家内安全が叶うといわれてます。

早春にいち早く芽吹く「春の七草」は邪気を払うと言われ、これを食べ1年の無病息災を祈るように。そしてそれぞれ胃腸を労わったり、冬に不足しがちなビタミンを補う効果があるとされており、食の大切さを一層感じさせられます。
七草には、それぞれに一つずつ意味が込められているそうです。芹(せり)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)。

港区 六本木 花屋 ゴトウフローリスト フラワージャーナル
港区 六本木 花屋 ゴトウフローリスト フラワージャーナル

七草粥に入れる「春の七草」は、子供たちに摘んでもらう経験をさせたいのですが、なかなか難しいので、用意した七草を子供たちと見て触れ、楽しみました。ナズナは葉を茎から少し離し、手を合わせ耳の横でクルクルさせるとぺんぺんぺんと音が鳴り子供の頃に遊んでいた植物で、なんだか懐かしい気持ちに・・・。子供たちはいつも見るより小ぶりなスズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)に興味津々で、さっそくおままごと遊びが始まっていましたが、私はセリの爽やかで独特な香りが好みで、若葉が競り合う様に生えていることからの「競り勝つ」という縁起の良い意味もお気に入りです。
子供達も自分たちでちぎったり触れたおかげかで、七草粥を喜んで食べてくれ、我が家の今年の無病息災が期待できそうです。春本番を前に、心を華やかに彩る春花たちも、店頭やオンラインショップでご紹介しており、目と心に栄養たっぷりの幸せレシピでお届けいたします。

 

◎ゴトウフローリスでは、今春の花々の会話が聴こえそうです。
春花を愛でながら、一年の始まりと春の訪れを味わってみてはいかがでしょうか。
ご自宅で季節行事をお過ごしになるこだわりなど、ぜひ、お話しを伺いたいです。