いつだってあの夏に戻れる~ひまわり~<br><font size="-2">in Imperial Hotel Work Shop / written by Yuko Nakayama</font>

花の仕事を始めたのは2006年。ろくに就活もしないまま短大を卒業し、何となくフラフラと気ままに過ごしていた21歳の春。そんな私がなぜ花の仕事をしているかというと、最寄り駅の構内でその頃新しくオープンした某お花屋さんに心を打たれたのがきっかけです。

色の組み合わせや、かわいいものが好きだった事もあり、ディスプレイや店内のPOP、そして何より「なんだかとってもおしゃれそう!!」というミーハーな気持ちで、すぐにそのお店の門を叩きました。

 働き始めたのはその年の7月。今よりもきっと少しは温暖化もマシだったはずだけど、駅構内にあるお店はとても暑く、花の名前も扱いも何ひとつわからない。完全に花の仕事を甘くみていた。呆然とする私。

不純な動機で始めた仕事だけど慣れてくると初めてのお花屋さんライフは案外楽しく、見た事もない色々な形の花や不思議な名前(クルクマとか)、絵の具では表現できない美しい色彩、毎日通りがかっては寄ってくれる、ご近所さん達とのおしゃべり。(時々お菓子をもらえるのも嬉しかったのです。)

当時、唯一私を安心させた存在は「ひまわり」の花。他の花の事は何もわからないくせに、ひまわりだけは知っていたから。「レモンエクレア」などの食べ物系や「テディベア」、印象派の画家たちの名を冠した「モネ」とか「ゴッホ」とか。その種類の豊富さとユニークな品種名に興味を持ったのを覚えています。(ひまわりを描きたくなった気持ちがわかるような気がしました。)

 夏に見る黄色って良いですよね。太陽の光をたっぷり吸収しているせいか、他の季節よりも色彩のパワーを感じるのは私だけでしょうか。いつかの夏に友人たちと訪れた山梨県のひまわり畑でも、その迫力に圧倒されました。

ひまわりの思い出、みなさんはありますか?笑い転げた楽しい一日を思い出したり、花屋として初心に戻れるから、私はひまわりが大好きです。

ひまわり ゴトウフローリスト 港区

香りや音楽で「誰か」や「いつか」を思い出すように、花を見て人生のある瞬間を思い出す人はどのくらいいるのでしょうか。紆余曲折、2023年、今帝国ホテルのワークショップでウェディング装花の仕事をしてます。当日飾った花たちがお二人にとってそんな大切な存在になるといいなぁといつも思います。

そして、ひまわりの時期も気付くとあっという間に過ぎてしまうので、今、ひまわりを楽しみましょう!私も、週末はひまわりを飾って、久しぶりに友人たちへ連絡してみようかな。

ひまわり畑に行けなくても、お部屋に夏の黄色を!
ひまわりは夏を呼ぶ花です。

 

◎ゴトウフローリストでは、ひまわりをはじめとした夏の花々を豊富に取り揃えております。どうぞお気軽にご来店下さい。