妖精を呼び寄せて<br><font size="-2">in Imperial Hotel Work Shop / written by Yuki Mori</font>
ブライダルパーティーをお考えのお二人にとって、何を身に纏い、どういった雰囲気の中で、どのような料理でゲストをもてなすのかなど、自分のこだわりや好みで探し選ぶ過程は楽しいもの。やがて迎えるその時が、お二人の想いを叶えるものであるために、私共はお花づくりを通して、お客様それぞれの想いを具現化するお手伝いをさせていただいております。
帝国ホテル東京Work Shopでは、挙式や宴会などの会場装花などを行っています。先日私がフラワーコーディネートを担当させていただいたウェディングパーティーでのお話しです。
ご新郎様のご要望は、「まるでご自身の故郷・沖縄で行われているかのような披露宴」。ゲストをもてなし、大切な思い出となるべきパーティーの実現には、お二人のこだわりや好みの傾向を綿密に伺わなければなりません。打合せを重ね、ご参加の皆様がお二人の想いをおくみ取りいただけるような空間を、花の彩りや観葉樹などの力を借りて創出させるのです。花材の組合せや配置などは単に見た目のバランスだけではなく、それぞれの花材が持つ背景や意味合いなども考慮しなければなりません。
帝国ホテル ウェディング ゴトウフローリスト
設定したテーマは、「都会の真ん中に沖縄の風が吹くような空間づくり」。ゲストをお迎えするウェルカムスペースはヘリコニアやハイビスカスで南国ムードを強調。テーブル上には沖縄産のシラタマカズラの蔓(つる)や、ガジュマルを飾りました。披露宴会場には沖縄産の芭蕉の葉やカークリコ、モンステラなど南国の葉を飾り、沖縄の風を感じられるように。お花はカラー、ユリ、オンシジューム。グリーンとのコントラストが強調されるイエロー・ホワイトでスタイリッシュな印象を。流木で沖縄の力強さも表現しました。ウェディングケーキにもお花のデコレーションを。(ガジュマルがここにも!)
ガジュマルは、沖縄で「キジムナー」という妖精が宿る幸運の木として古くから伝えられ親しまれているそうです。晴れの日を迎えるお二人はもちろん、お二人からゲストへのもてなしのお気持ちとして、幸せを招き入れるパワーに溢れた会場コーディネートをお手伝いさせていただきました。
帝国ホテル ウェディング ゴトウフローリスト

お二人やご参列の皆様が今回のコーディネートで心地よく過ごされているのかを気に留めながら、私も宴の袖から参加させていただいておりました。どうか私にも、キジムナーが微笑んでくれますようにと。

 

◎ゴトウフローリストではフルオーダーのアレンジメントや花束、会場装花などで、ご意向を伺いながらお客様にとっての心地よさをカタチにするお手伝いをさせていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。