花手水 〜はなちょうず〜<br><font size="-2">in Imperial Hotel Work Shop / written by Kengo Kase</font>

7月中旬、梅雨明け間近の炎天下、関東厄除け三大師のひとつ・西新井大師(東京都足立区)を参拝しました。こじんまりと整理された池には鯉が泳ぎ、蓮の花や水蓮などが心地良く綺麗に咲いています。

西新井大師ここに来るたび、参拝前にいつも手水舎(ちょうずや、てみずや)に気を引かれます。私の癒しです。
入社約30年の私は帝国ホテル、ヒルトン東京、ザ・キャピトルホテル東急、その他多くの会場で婚礼装花を担当させていただきました。ウェディングの会場にどの様な花を飾るかを決める綿密な打ち合わせと実際の施工を通じ、 時には花々が持つ力を借り、その主張に耳を傾け相談したりと、長年の間、花とは随分と沢山の時間を過ごしてまいりました。
こちらの花手水は決して豪華絢爛、派手でもなく、さりげなく質素でありながらも、境内で咲いた自然そのままの花々を活けて我々を迎えてくれる。手水舎とは本来、参拝前に身と心の穢れを清めるための手水が流れている施設ですが、ここでは本来の身や心を清めるだけではなく、訪れる度に違う花が活けてある花手水を見る事が楽しみ(目的)になってしまいました。
この日は炎天下でしたが、池の水の音、手水舎の水音、花々が重なり合いとても涼やかです。近年のコロナの影響もあり手や口を清める柄杓の共用が敬遠される中、手水鉢に花を浮かべて境内の風景の一部として楽しめるお寺や神社も増えているそうです。感染対策で様々な行為が制限されても、神仏を敬い、四季の美しい移ろいを大切にする日本人ならではの発想であり文化なのだと思います。
皆様も素敵な花手水を探しに、お近くの寺院や神社を訪れてみてはいかがでしょうか?

西新井大師 手水舎

この花手水や花手鉢はご自宅でも簡単に作れます。お気に入りの器を探して、自由に好きな花々を水に浮かべるだけで完成です。金魚鉢のようなもの、もしくはなるべく口が広く浅い器を使った方が活けやすく、綺麗に仕上がります。

今回はゴトウフローリスト店頭に並ぶ花の中から。
形が個性的で美しい蘭はパフィオペディラム、ピンク色の胡蝶蘭(ミッキー)、クレマチスやアジサイ、マリモのようなグリーンのテマリソウと利休草で流れるような動きを出してみました。

まずはご自分が飾りたいと思うお花や色合いで活けてみてはいかがでしょうか?
花活けを楽しみながらご自宅で涼をお取りください。
花手水 ゴトウフローリスト

 

◎ゴトウフローリストでは、お客様の花選びにお応えする豊富な品目の商品を取り揃えています。ご来店の際は、店舗に常駐のフラワーデザイナーに、どうぞお気軽にご相談ください。